注文住宅のハウスメーカーを比較していると、「設計力のある会社を選びたいけれど、何を見れば判断できるのかわからない」と感じることもあるのではないでしょうか。
多くの住宅会社が「自由設計」「高い提案力」「理想の住まいを実現」といった言葉を掲げていますが、設計力は価格や住宅性能のように一つの数値だけで比較できるものではありません。
また、おしゃれな施工事例が多いからといって、それだけで自分たちにとって設計力のある会社とは限りません。
住宅会社の設計力を見るときは、希望するデザインや間取りを形にできるかだけでなく、土地の特徴、構造、住宅性能、暮らし方、予算まで踏まえて提案できるかを確認することが大切です。
このページでは、ハウスメーカーや工務店の設計力を比較するときに確認したいポイントを具体的に解説します。
注文住宅における設計力は、単に「好きな間取りを自由につくれること」だけではありません。
例えば、施主から「開放的なリビングにしたい」という希望があった場合でも、住宅会社によって提案の内容は変わります。
吹き抜けをつくる、大きな窓を設ける、庭とのつながりを持たせる、天井を高くする、柱や壁を少なくするなど、開放感を生み出す方法は一つではありません。
さらに、その設計を実現するためには、
なども考える必要があります。
そのため、住宅会社の設計力とは、施主の希望や暮らし方を理解し、土地・構造・住宅性能・予算とのバランスを取りながら、より良い住まいとして具体化する力と考えるとわかりやすいでしょう。
住宅会社を探していると、「自由設計」「完全自由設計」という言葉を目にすることがあります。
しかし、自由設計であることと、設計力が高いことは必ずしも同じではありません。
自由設計とは、間取りや設備、素材などをある程度自由に選べる家づくりの仕組みを示している場合があります。
一方、設計力を見るうえで重要なのは、施主の希望をそのまま図面にするだけではなく、
まで考えた提案ができるかです。
住宅会社を比較するときは、「自由設計」という言葉だけで判断せず、実際の施工事例や提案内容、設計体制まで確認しましょう。
住宅会社の設計力を比較するときは、次の8つのポイントを確認すると違いを整理しやすくなります。
| 比較項目 | 確認したいこと |
|---|---|
| 施工事例 | 希望する家に近い施工実績があるか |
| ヒアリング力 | 要望だけでなく暮らし方まで聞いてくれるか |
| 提案力 | 要望をそのまま形にするだけでなく選択肢を提示できるか |
| 間取り | 動線・採光・収納などまで考えられているか |
| 土地対応 | 敷地の特徴を活かした設計ができるか |
| 構造 | 希望する空間を構造的に成立させられるか |
| 住宅性能 | デザインと耐震・断熱・気密などを両立できるか |
| 予算 | 希望を整理しながら予算内へ調整できるか |
設計力を確認するときに、まず見ておきたいのが施工事例です。
住宅会社によって得意な住宅やデザインは異なります。
例えば、次のような希望がある場合は、それぞれに近い施工実績を確認してみましょう。
特に確認したいのは、希望するタイプの施工事例が一件だけではなく、複数あるかどうかです。
似た住宅を繰り返し手がけていれば、その会社がそのような設計を得意としているかを判断する材料になります。
設計力を見るうえでは、住宅会社がどのようなヒアリングを行うかも重要です。
例えば、「広いリビングが欲しい」という希望があったとします。
その要望をそのまま受け取るだけではなく、
など、「なぜ広いリビングが必要なのか」まで聞いてくれる会社であれば、より暮らしに合った提案につながりやすくなります。
要望そのものだけでなく、その背景にある暮らし方まで理解しようとしているかを確認しましょう。
注文住宅では、希望をそのまま実現してくれる会社が良いように感じるかもしれません。
しかし、設計の専門家だからこそ、希望に対して別の選択肢や注意点を提案してくれることも重要です。
例えば、「吹き抜けをつくりたい」という要望に対して、単に吹き抜けを配置するだけではなく、
まで踏まえて提案できるかを確認します。
「できます」と答えるだけではなく、「なぜこの設計がよいのか」「どのような注意点があるのか」まで説明できるかを見ると、提案力を判断しやすくなります。
間取りを見るときは、部屋の数や広さだけではなく、実際に暮らしたときの動きまで考えられているか確認しましょう。
例えば、
などがあります。
例えば、玄関から手洗い、ファミリークローゼット、LDKへ自然につながる間取りであれば、帰宅後の生活動線を短くできる場合があります。
一方、図面上では整って見えても、実際の家具配置や日常生活を想定すると使いにくい間取りになることもあります。
住宅会社からプランを受け取ったら、朝起きてから寝るまで、家族がどのように家の中を動くかを想像して確認するとよいでしょう。
注文住宅の設計では、建物だけでなく土地を見る力も重要です。
同じ建物でも、
によって適した配置や窓の位置は変わります。
特に神戸には、六甲山側の高低差がある土地や傾斜地、海や街を見渡せる土地、擁壁のある土地など、特徴的な敷地があります。
設計力を見る際は、こうした条件を単なる制約として処理するだけではなく、眺望を取り込む窓を設ける、土地の高低差を間取りに活かすなど、敷地の特徴を住まいの魅力へ変えられるかも確認しましょう。
吹き抜けや柱の少ない大空間、大きな窓などを希望する場合は、デザインだけではなく構造まで確認することが重要です。
開放的な空間をつくろうとすると、柱や壁を少なくしたり、大きな開口部を設けたりすることになります。
そのため、住宅会社を比較するときは、
などを確認しましょう。
設計力とは、見た目を自由にする力だけではなく、希望する空間を構造的に成立させる力まで含まれます。
デザイン性の高い家をつくる場合も、住宅性能とのバランスが重要です。
例えば、大きな窓を設ければ、室内から景色を楽しめたり、明るく開放的な空間にしたりできます。
一方で、窓は壁とは異なるため、配置や大きさによって日射や室内温度への影響も変わります。
また、吹き抜けを設ける場合も、
などを合わせて検討する必要があります。
住宅会社を比較するときは、「大きな窓をつくれます」「吹き抜けが得意です」という説明だけでなく、希望するデザインと快適性をどのように両立するのかまで確認しましょう。
注文住宅では、希望するものをすべて盛り込むと予算を超えてしまうことがあります。
そのとき、単純に「予算を上げる」「希望を諦める」という提案だけではなく、優先順位を整理しながら代替案を出せるかも設計力を見るポイントです。
例えば、予算を抑えるために吹き抜けをなくすのではなく、
など、複数の方法を考えられる場合があります。
自分たちが最も大切にしたい部分を残しながら、予算内に収める方法を一緒に検討できるか確認しましょう。
施工事例から設計力を判断するときは、「おしゃれかどうか」だけを見ないことが重要です。
できれば、次のような情報まで確認してみましょう。
例えば、大きな窓が印象的な施工事例であれば、「大きな窓がある」という結果だけを見るのではなく、
までわかると、その住宅会社の設計に対する考え方を判断しやすくなります。
「何をつくったか」だけでなく、「なぜそう設計したのか」を見ることがポイントです。
候補となる住宅会社から実際に間取りを提案してもらったら、単に「希望が入っているか」だけでなく、設計の理由まで確認してみましょう。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 要望 | 希望した暮らしや間取りが反映されているか |
| 動線 | 家事・帰宅・洗濯などの動きが自然か |
| 採光 | 窓の位置や方角が考えられているか |
| 収納 | 量だけでなく使う場所に配置されているか |
| 家具 | 家具を置いた状態まで想定されているか |
| 土地 | 道路・隣家・眺望などを踏まえているか |
| 将来性 | 家族構成や暮らし方の変化を考えられているか |
| 予算 | 現実的な費用を意識したプランになっているか |
特に確認したいのは、要望をすべて並べただけの間取りになっていないかです。
例えば、「リビングを広くしたい」「収納を多くしたい」「書斎が欲しい」といった要望をすべて入れた結果、生活動線が複雑になっているのであれば、必ずしも良い設計とはいえません。
提案されたプランについて、「なぜこの配置なのか」を設計担当者が説明できるかを確認しましょう。
住宅会社によって、家づくりの打ち合わせ体制は異なります。
営業担当者が中心となって要望を聞き、後から設計担当者が参加する会社もあれば、初期段階から設計士と直接相談できる会社もあります。
住宅会社を比較するときは、次のような点を確認してみましょう。
設計士と直接話せることだけが優れた会社の条件ではありませんが、自分たちの希望がどのような経路で設計へ反映されるのかを把握しておくことは大切です。
住宅会社との相談時には、設計に関する質問をしてみると各社の考え方を比較しやすくなります。
例えば、次のような質問があります。
回答の内容だけではなく、メリットとデメリットの両方を説明してくれるか、具体的な理由があるかにも注目してみましょう。
写真で見た住宅が好みでも、その事例がどのような土地条件や要望から生まれたものなのかまではわかりません。
自分たちの土地や希望でも同じような提案ができるか確認しましょう。
自由に間取りを変更できることと、暮らしや土地に合った提案ができることは別です。
設計自由度だけでなく、実際の提案内容を見ることが重要です。
営業担当者が設計について詳しく説明してくれる場合でも、実際に誰が設計を担当し、どのように家づくりが進むのか確認しましょう。
注文住宅では、希望同士が相反することもあります。
例えば、大きな窓を増やすことと、構造や断熱への配慮を同時に考える必要がある場合があります。
何でも「できます」と答えることよりも、実現するための方法や注意点、難しい場合の代替案を説明できることが重要です。
設計力は、大手ハウスメーカーか地元工務店かという会社規模だけでは判断できません。
実際の設計力には、
などが関係します。
大手ハウスメーカーでも自由度の高い設計を得意とする会社がある一方、地元工務店でも設計ルールや標準仕様を明確に設けている会社があります。
会社規模ではなく、希望する家に近い施工実績や実際の提案内容を比較しましょう。
神戸で注文住宅を建てる場合は、一般的な間取り提案だけでなく、地域特有の土地条件を活かせるかも確認したいポイントです。
神戸市内には、
などがあります。
例えば、高低差のある土地を単に造成して平らにするだけではなく、スキップフロアなどで高低差を活かす設計も考えられます。
また、眺望の良い土地なら、周囲からの視線や日射を考えながら窓を配置し、景色を室内に取り込む設計も選択肢になります。
神戸で住宅会社を選ぶ際は、建築予定地と似た条件の土地でどのような住宅を設計してきたかを施工事例から確認してみましょう。
吹き抜け、大きな窓、柱の少ない大空間などを取り入れた開放的な住宅を希望する場合は、特に設計・構造・住宅性能をセットで比較することが重要です。
確認したいのは、次のようなポイントです。
単に「吹き抜けができます」「大きな窓を設けられます」という説明だけでなく、その開放感を構造的・性能的にどのように成立させているのかまで確認すると、住宅会社ごとの違いが見えやすくなります。
複数の住宅会社を比較している場合は、設計に関する項目を同じ基準で整理すると判断しやすくなります。
| チェック項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 希望に近い施工事例 | |||
| ヒアリングの深さ | |||
| 間取り提案 | |||
| 生活動線 | |||
| 土地の活かし方 | |||
| 大空間への対応 | |||
| 構造設計 | |||
| 住宅性能との両立 | |||
| 予算調整・代替案 | |||
| 設計士との打ち合わせ体制 |
評価する際は、単に「◎・○・△」だけを付けるのではなく、理由も合わせて記録しておくと比較しやすくなります。
例えば、
というように整理してみましょう。
施工事例だけでなく、ヒアリング内容、間取り提案、土地への対応、構造・住宅性能との両立、予算調整まで確認しましょう。「希望を実現できるか」だけでなく、「なぜその提案なのか」を説明できるかも判断材料になります。
自由設計でも、土地条件や構造・工法、法令、予算などによって実現できる範囲は変わります。「自由設計」という表現だけで判断せず、希望する間取りを具体的に相談して確認しましょう。
必ずしも直接話せる会社だけが優れているとは限りません。ただし、設計意図や要望がどのように設計へ反映されるのかを確認できる体制かどうかは重要です。誰が設計を担当し、どの段階から打ち合わせに参加するのかを確認しましょう。
デザイン性は設計力の一部ですが、それだけでは判断できません。生活動線、土地の活かし方、構造、住宅性能、予算とのバランスまで確認することが大切です。
初回プランは住宅会社の考え方を見る参考になりますが、一案だけで判断するのではなく、提案理由やこちらの要望に対する修正提案も確認するとよいでしょう。打ち合わせを重ねる中で、要望をどの程度理解し、より良い案へ改善できるかも設計力を見るポイントです。
住宅会社の設計力は、「自由設計だから」「おしゃれな施工事例が多いから」という理由だけでは判断できません。
設計力を比較するときは、
といった視点で確認しましょう。
特に神戸で家を建てる場合は、高低差や傾斜、眺望など、その土地ならではの条件をどのように設計へ活かしているかも判断材料になります。
設計力とは、言われた通りの間取りを描く力ではなく、施主の希望を理解し、土地・構造・住宅性能・予算まで含めて、より良い住まいとして具体化する力です。
複数の住宅会社を比較する際は、完成したデザインだけでなく、「なぜその設計になったのか」「どうやって実現するのか」まで確認して、自分たちの家づくりに合う会社を選びましょう。
ハウスメーカー選びについてもっと詳しく知る



※1.参照元:オリコン公式HP「【2024年】近畿で満足度が高いハウスメーカーランキング|口コミ比較|オリコン顧客満足度」
https://life.oricon.co.jp/rank-house-maker/area/kinki.html
※2.参照元:住友林業公式HP「住友林業が選ばれた理由」
https://sfc.jp/ie/feature/